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キングコング西野亮廣氏の「絵本無料公開」と「販売権」
こんにちは、弁護士の江川剛です。
本記事のテーマ
本記事は、キングコング西野亮廣氏の「絵本無料公開」と「販売権」というテーマについて書いています。
弁護士・江川剛の視点
価格は販売権のある人が決めるので、安いからといってとやかく言われるのは基本的にはお門違いです。
ただ、法律上は「不当廉売」という規制があります。
これは、公正な競争を阻むような価格で販売することは不公正な取引方法として、独占禁止法上違法とされるものです。
どのような場合に、どの程度まで安いと違法とされるのかは個別具体的な事例に応じて判断されることになります。
他の競争相手を排除して市場を支配するために原価割れの販売を継続するような事例が、典型的な違法事例です。
西野さんの件は、対象の商品は絵本ですのでその需要も作者の個性に由来する面が大きく、安く売られたからといっても他の作者の絵本に対する需要が小さくなるというのは具体的にはあまり想像できないように思われます。
ですので今回の件を法的に問題視するのも難しいでしょう。
ただ、「糞ダセー」との表現は他の作家への配慮を欠いている面は否めず、あまり誉められたものではないと思います。
この表現で、余計に騒動を大きくしてしまっていると思います。
多くの人の目に留まる表現はできるだけ気を配らなければいけません。
ニュース要約
お笑い芸人のキングコング・西野亮廣(にしのあきひろ)さんが自身の絵本を無料公開したことが話題になった。絵本「えんとつ町のプペル」は発売3カ月で25万部を超えるベストセラーになっている。そして現在、ウェブ上て無料公開され誰でも見られる状態だ。無料公開後はさらに話題をよび、アマゾンと楽天の総合ランキングで1位を獲得した。
西野さんは自身のブログで、小学生から2000円じゃ高くて買えないと言われたことを挙げ、『「お金が無い人には見せませーん」ってナンダ? 糞ダセー』とお金に振り回されている状況に疑問を感じて無料公開に踏み切ったと説明している(お金の奴隷解放宣言。キングコング西野 公式ブログ2017/1/19)。出典:キングコング・西野さんの絵本無料公開を批判するクリエイターは、今後確実に食えなくなる。(Yahoo!ニュース、2017年01月26日)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakajimayoshifumi/20170126-00066990/
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